本屋の悦楽
先日、ひさしぶりで新宿に出かけたついでにジュンク堂新宿店に寄ってみた。品揃えがたいへんにマニアックで、これは他の大型書店とはちょっとチガウ…と感心したのだった。それで、つぎの週末に時間を作って池袋本店というところに視察に行ってみた。そして土曜日の午後すべて、たいへんに幸せな時をすごさせて頂いた。
本屋さん自体に感激した体験として、古書肆を除いて新刊の本屋さんに関しては
あたりを訪れたときのものに匹敵するように思う。本屋さんの「奥行きの深さ」の感じ方というものは、訪れたときの自分自身の経験や興味の対象によって随分と異なるものであろうから、一概には言えないが、書店の店舗面積と自分の感じ方とを比べてみると、実に意外な感じがするものだ。はてなの記事などを参考にして、主に首都圏の書店の店舗面積を並べてみると以下のようになる。
- ジュンク堂池袋本店(2000坪)
- 高松、宮脇カルチャースペース(1900坪)
- 丸善丸の内本店(1750坪)
- ジュンク堂新宿店(1650坪)
- 紀伊国屋書店新宿南店(1400坪)
- 八重洲ブックセンター(1200坪)
- 三省堂本店(1000坪)
- ブックファースト渋谷店(900坪)、現在は別店舗
私が普段いちばんよく利用するのはOazoの丸善(丸の内本店)でここは優等生的な品揃えなので、ここを基準にして比較してみると、八重洲ブックセンターや三省堂本店の店舗面積の狭さはやや意外である。ただし、ジュンク堂池袋本店は店舗面積が広いだけではなくて、例えば国訳大蔵経や内藤湖南全集といった他の書店では全く見かけない書物がさりげなく置いてあったりして、だから見飽きることが無いのである。昔の本屋さんでは「店主の見識」が感じられたものだが、それがそのまま大型書店になっても残っている、と言えば私の感激の一端をご理解いただけるだろうか。池袋という街は、東京近郊に住んでいても、その生活圏以外の人たちにとってはあまり訪れることのないところだが、本好きなら、ジュンク堂本店へ本を見に行くだけでも、行く価値は十分にあると思う。その帰りには西口まで足をのばして、豊田屋で一杯やって、戦後闇市の情緒にひたるのも一興かと思う。
しかしそれにしても、高松、宮脇カルチャースペースというのが気になる。つぎは「宮脇書店とさぬきうどんツアー」だろうか?