もうひとりのわたし

昨年、岸田今日子さんの訃報に接して妙な既視感を覚えた。かつて雑誌「ユリイカ」でそんな情景を読んだような気がするのだが、それは私の思い過ごしだったのか…。でも、それから彼女の文章が気になりだして「ひとみしりな入江」や「子供にしてあげたお話 してあげなかったお話」など随分耽読したものだ。神西清さんの文章を女性が書いている、というのが第一の印象なのだが、その奥深さや襞に、ちょいと惑わされたものだ。
今日「Precious」という雑誌の彼女の特集記事で、懐かしい写真の数々を見、大親友の吉行和子さん、冨士眞奈美さんのメモワールを読んだ。
以て瞑すべし。

二つの月の記憶

二つの月の記憶